今回は記憶法について少し。
英単語の記憶法について検索すると多くヒットするのは、「忘却曲線」を利用した記憶の仕方についてですね。
大量の英単語でも時間をかけずに機械的に覚えていって、それを繰り返す。最初のうちはすぐに忘れますから、あまり間を開けず繰り返す。そうすると徐々に記憶に残っていくので、だんだんと復習の期間を開けていく。毎日が3日おき、1週間おき、1ヶ月おき、3ヶ月おき・・・、こうして長期記憶として定着していくという、例のあれです。
私もよくこの方法を使って記憶しています。ですのでこの方法自体には全く異論はありません。全く異論はないんですが…
オジサン的にはですね、これが科学的に正しい記憶法です!とドヤられても、今ひとつ乗り切れないんですよね。もうちょっと、ほら、何ていうか…、情緒的にいきたいじゃないですか 笑
というわけで、今回は役に立つか立たないかわからない、ある意味情緒的な記憶法について、超個人的実践法を解説したいと思います。
自分にとって意味のある文章を読んで鍛える
今回の話は、単語や表現の記憶もそうなんですが、元々は英文ライティングやスピーキング能力を身につけようと思って実践している方法です。それは端的に言うと、
「ネイティブが書いている文を丁寧に読む」
ということです。
具体的には、自分の興味がある分野について書かれている新聞やサイトの記事を読む、という事です。もちろん日本のものじゃなく、アメリカや英国のサイトです。
例えばですが、今回引用してみるのはこれです。
『紙の本で読むのとデジタルデバイスで読むのと、どう違うのか、脳はどう処理してるのか』みたいな話です。
興味深いですね(私だけ笑)
まあこんな風に、自分が興味ある、好奇心がそそられる記事を探すことがまず第一となります。受験や資格試験用に書かれたものじゃない、生の英文だからこそ、活きた表現が学べますしね。
何にせよ、興味をそそられるからこそ脳がアクティブに反応します。ここで第1の教訓、
自分の興味・関心のあるものに注意を向ける
で、これを液晶画面で読むのは目が大変つらいので、私の場合わざわざ手間をかけて印刷します。
下の画像は印刷したものです。分からない単語などは赤マークしてますね。
どういう記事を選ぶかは、自分の興味・関心以外にもうひとつ指標あって、それは記事の長さです。
ライティングやスピーキングに使える表現を学びたい、となったら、あまり長い記事は不向きだと思います。上記の記事は両面印刷をしているのですが、これだと長いですね。できれば割付で片面1枚に収まるくらいがいい。なんなら1~2パラグラフくらいでいいと思ってます。
そうすると大量の英単語を覚えるのと違って、必然的に少ない量になる。絞れば絞るほど、見るべきものがクローズアップされて印象に残るという具合です。
例えばこの記事の第1パラグラフでは「shifted from A to B」とか「swapped A for B」という表現が出てきますが、こういうのを読んで「おぉ~」と思うわけです 笑
いや読めばわかるんだけど、サッと使えないよね、こんなの。と思いながらニヤつくわけですね。
こういうのが、長い記事だとどうしても発散してしまいますよね。なので、なるべく短いほうがいいと思うのです。そこで第2の教訓、
情報量はなるべく少なく
さてさて、印刷した記事にある、意味が分からない・曖昧な単語には赤マークを付けてあります。
例えば『impair』という単語です。これは動詞なのですが、読んだ時にはさっぱり意味が分かりませんでした。
これを英英辞書で調べてみると『to damage something or make something worse』と書いてある。さらに類義語も記載されていて『damage』と書いてある。
つまり、impair ≒ damage なのね、ということが分かります。
ここで記事の文章を読むと「Digital reading impairs comprehension, particularly for longer, more complex texts」などと書かれていて、へぇ~デジタル画面で読むというのは、長く複雑な文章に対する理解力を損なわせるのねと、そのイメージが映像のように頭に湧き上がるのです。
もちろんこの文章は明確な情景を描写したものではなく、いくらか抽象的です。ですがイメージとしては、デジタル画面をのぞき込みながら苦悶の表情を浮かべる顔が思い描けます。
おかげさまで、この単語については忘れにくくなりました 笑
そこで第3の教訓、
イメージを膨らませながら覚える
とまあ、こんな感じの事を低頻度で行っています。この記事も読んだのは1ヶ月ほど前でした。
ここでいう低頻度というのは、繰り返し同じ記事を読むとか、毎日こんなことを行うとかではないということです。むしろ興味・関心が持続し続ける限りにおいて、その範囲内で行っています。
興味・関心を失った物事に対しては、脳も働いてくれませんから。
で、このようなブログ記事にするにあたって、改めて読み返すことで記憶が蘇ります。
おかげさまで、『impair』という単語は忘れない(二回目 笑笑)
ちなみにこの引用記事にあるように、電子書籍で文を読む場合、長く複雑な文章に対する理解が上手くいかないというのは、私自身よくわかります。新書とか、そのへんのビジネス書なら電子書籍でも十分ですが、じっくり腰を据えて読まないと無理っぽい本は、やはり紙の本じゃないと、と思います。つまり、やっぱり頭に入らない。
いずれ人類はこのデジタルフォーマットにも慣れるかもしれませんが、少なくともここ17年間の調査を見る限り、紙とデジタルとの間の理解力の差はむしろ広がっているようで・・。
インパクトのある出来事は、いつまでも記憶にあるもので・・
そんなわけで、オジサン的記憶法をまとめますと
- 自分の興味・関心のあるものに注意を向ける
- 情報量はなるべく少なく
- イメージを膨らませながら覚える
でした。
忘却曲線を利用した方法は、大量の無味乾燥なものを記憶していくのに適してます。対してこちらは、その時の脳の興味・関心に対する働きを最大限に利用したものです。ですから、少ない機会のわりに、あまり忘れることがないというか、忘れにくい。
旅先の楽しい思い出は妙に覚えているものですよね。そんな感じです。
とまあ、そんなことでした。
皆さんはどんな方法で記憶しているのでしょうね、興味があります。
では、今回はここで。
コメント