英語が出来るようになりたい。そう思った時に、多くの人が「どうしたら効率的に習得できるか」ということにフォーカスすると思います。
限られた時間の中で、できるだけ上手くなりたいと思うわけですから、まず間違いなく全員が効率化を考えますよね。
勉強法を検索してこのサイトにも辿り着いたと思いますし、これは英語学習者において重要な要素だと思います。
ところが、これ以上に重要な要素があると私は思っています。
私がそう思ったのは、ある英語上級者さんの運営する動画内で語られたことがきっかけです。
その動画内で、上級者さんに対し「このような勉強方法は有効か?」というような質問が視聴者から寄せられていたと思います。それに対してポツリと呟いたことが、私にはとても印象的で、かつ腑に落ちることでした。その呟きとは、
「何やったって伸びるんですよ…」
というものでした。
双方向とはいえ動画ではひとり語りですから、ポロッとこぼれ落ちたような、何気ないひと言だったのですが、私には衝撃でした。
身も蓋もない、と思うと同時に、確かにそうだという確信のようなものを感じたのです。
これに対しては、もう少し説明が必要でしょう。
時間を無視して効率化を求めてもダメ
私達はまず例外なく、早く効率的に上達したいと思うものです。
そのために勉強法を検索し、自分にとって有効であろうものを取り入れていく。そして、ちょっとやってみて、あまり効果が感じられないものは破棄して、新たな方法を検索して試す、ということを繰り返していると思います。
それ自体は何ら咎められるものではありませんが、一方でその上級者の彼はこう言っているわけです。
「何やったって伸びるんですよ…(遅かれ早かれ)」
そう、この(遅かれ早かれ)という言葉もポツリと漏らしていたと思います。
つまり、個人差はあるし、勉強法の違いもあるし、同じ方法でも実施の仕方による差もあるにせよ、どんなやり方をしてもいずれ伸びるんですよ、ということを彼は言っているわけです。
これって、ある意味衝撃じゃないですか。
皆こぞって効率の良い勉強法を探しているのに、どんな方法でも、とにかくやれば伸びるというのは、その努力は無駄だよと言われているのと同じことだからです。
ただ同時に、私は何かしらホッとするような安心感を覚えました。
そしてここでより重要なのは、英語を身につけるために効率化よりも大事な要素を突きつけられていることです。それは、
掛けた時間が圧倒的に重要
だということです。
上級者の方々のブログ等を見ると、やはり英語を学ぶことに掛けた時間が半端ではないということが分かります。
ある方は毎日8時間は勉強したという。別の方は、映画や海外ドラマを字幕なしで観るために、リスニングの勉強に費やす時間を約4000時間かけたという。
彼らの成果は、圧倒的な量に裏打ちされているのですね。
私たち初学者は、ともすれば方法論に傾きがちですが、それよりも量をこなすことに重きを置いたほうがいい。聞くのも、読むのも、話すのも、量がベースを作るのだということに意識を向けて、毎日の学習を頑張るべきだということですね。
今となっては、私も量を意識して勉強していますが、一時期は、とにかく10分でも毎日やればと思っていたこともあります。ただ、さすがにそれでは伸びが薄いことも感じてはいました。
4000時間の事を考えれば、1日10分では60年以上かかりますからね…。
毎日10分じゃ、心許ないですね^^;
さて先の上級者さんの件ですが、実は彼は別に「もっと時間を掛けなさい」という事を言いたかったわけではありません。
大量に時間を掛けることは前提に、そのうえで効率的に学習できる方法を獲得しよう、という話をしていたのです。
だからこそ「何やったって伸びるんですよ…」という呟きになったのですね。語るべきことがその後にあるから。
ただとにかく私たち初期学習者は、量をこなさなければ質は見えてこないということを肝に銘じることが大事だと思います。
そして逆説的に、量が確保できないのならば伸びもないということも、覚悟しなければならないのですね。
毎日10分よりも1時間、1時間よりも3時間、そういう発想から入ること。
英語という母語ではない第二言語を身につけるための、とても重要なマインドセットなのだと思います。
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