全編英語で書かれたもので英語を学ぶというのは、英語学習の初級者にとっては一種の憧れみたいなところがありますね。
私も英語の学び直し初め頃は、早くそういう域に達したいものだと思っていました。
その頃にアマゾンなどで検索するとよく出てきたのが、この『English the American Way: A Fun ESL Guide to Language and Culture in the U.S.』です。
商品紹介をみると、アメリカの生活様式や文化に触れながら英語を学べるということで、とても魅力的に思えたものです。
そこからだいぶ期間が空き、久しぶりに検索してみると、どうやら「2nd Edition」が出ているらしい。自分もそこそこ勉強していたことだし、読んでみるか、ということで購入してみました。
読了して分かったことは、意外と評価が難しいという事です。これを本当の意味で有効に活用できるのは、たぶん中上級者以上じゃないかな?という感じです。
ということで、少しレビューしてみたいと思います。
恐ろしくコンパクトにまとまった英語学習テキスト
この本はタイトルに「ESL」とあるように、英語を第2言語として学ぶ人に向けて書かれています(English as a Second Language)
つまり言っても学習テキストなわけです。
内容は全部で21ユニットあり、各ユニット1テーマでアメリカの文化や日常生活の事について書かれています。例えば隣人との距離感、交通機関の乗り方、食文化、スポーツの楽しみ方、結婚・出産・お葬式・仕事等々…。
ユニットはさらに2~3のセクションに分かれています。各セクションごとに文章と会話文が掲載され、単語・イディオムとそのパートで重要な文法について触れられます。
オーディオCDが付いていますので、会話文はもちろん収録されています。出版元のウェブサイトからmp3ダウンロードも可能です。
ここのウェブサイトは、結構な量の試し読みと、音声サンプルを聴くことが出来ますので良いですね。リンクを下に貼っておきます。
難易度としては、初中級くらいまで勉強を積んできた方にとっては、読むのも聴くのも、それほど難しくないと思います。
で、ですね、
アメリカの生活・文化に興味がある方にとっては、間違いなく内容は面白いはずです。
その面白さのなかで、学習者の学習レベルをきちんと押さえつつ、ボキャブラリーや文法の講義も間に挟みつつ構成しているのは驚嘆に値します。この手腕はお見事というしかないですね。
ところがですね、いざこれを勉強として使おうとすると、ほとんどの人にとって、
・多読素材として読みまくる!
・リスニングの訓練として聞きまくる!
・・・・おしまい!!
だと思います。
いやこれ、意外と使いこなすのは難しい。私の正直な感想です。
これを使いこなせるのは、次のような人じゃないかな?
実は中上級者以上向けテキストでは?
たぶんですが、この本を使いこなせる人は、「アメリカに留学する」とかの予定があって、オンライン英会話などでアメリカ人講師と話しまくっている人じゃないかと想像します。(勝手な想像です笑)
この本は、インフォーマルな単語やイディオム、スラングがたくさん載っています。そこで、そういう言葉を英会話の先生に向けて使ってみたり、尋ねてみたりする環境にあると、かなり活きてくるんじゃないかと思います。(少なくともフィリピン人講師に向けて話すのは違うでしょうね)
こういう本は、リスニングやリーディングだけでなく、できればスピーキングに使えるようにしたいと私はどこかで思っています。しかし使いどころが難しい。
なので、同じ全文英語で書かれたテキストならもっと他にあるかもしれませんね。ボキャビル本としてみたら他にもあるでしょうし、スピーキング訓練用なら『ENGLISH GRAMMAR IN USE』のほうが使い勝手はいいかもしれません。
ただですね、この本は楽しみながらアメリカの「リアル」な文化に触れられるという点で、とても興味深いものですから、学習テキストなどと肩ひじ張らずに、読み物として楽しむのが最も良いかもしれません。
私も、このシリーズの他2冊、欲しいですからね 笑
いいじゃない、多読多聴素材で 笑笑
さて、この『English the American Way』は、2018年に第2版が出版されました。何が変わっているかというと、トピックに「Uber」が出てきたりするところです笑
後半ややダレるところもありますけれど、総じて面白い内容には違いないです。勉強の効率を目指す人にはお勧めしないですが、こうした本も必ず血肉になりますから、一冊は持っていて損はないと思います。
では。
コメント