さて、今年に入っても絶賛オンライン英会話実践中の私ですが、今年の英語学習目標は引き続き英会話に力を入れたものになりそうです。
オンライン英会話をまだ試してない方は、こちらからどうぞ。
私はまだまだ状況説明などが下手で、そのあたりを鍛えていこうと思います。実践あるのみですね。
ところで英語学習における英会話って、わりと批判的にみる人もいますよね。一段下にみているというか。
そういう意見でよくあるのが、「中身のない会話してもしょうがない」といったものです。
つまり、いくら英語が喋れていようとも、内容がなければ英語やってる意味あるの?ということですね。
これについてどう思いますかね。
中身のある会話・ない会話ってどういう定義なん?と、私からするとその曖昧さが加減が何とも言えない思いはあります。よくよく注意してそう言っている人たちを観察すると、どうやら彼らは「難しい語彙」を使っていたら中身がある、そうでなければ中身がないと思っている節があります。
つまり難単語などを使っていればOK、みたいになるようですね。
しかし、これはいささか無理がありはしないでしょうか。100歩譲って”中身がある会話”が成立しているとして、難しい語彙でなければそれは成しえない事でしょうか。もちろん、そういう事もあるでしょう。ですが私など思うのは、平易な語彙で構成されているけれども硬質な内容のものはある、と思いますし、平易な語彙で構成されていて分かった気になっているだけ、なこともたくさんあると思うのです。
さらに大事な事は、中身がある会話かどうかは、会話をしている当の本人たちの主観による部分が大きいと思えるところです。傍から見るとただ天気の話をしているだけに聞こえるかもしれないことが、実は丁々発止のやり取りだったりするかもしれません 笑
それは傍からは分からない。絶対的な価値基準なんてないに等しいでしょう。
ですからそういった議論自体にはあまり意味がない。それよりは、英語でもっとコミュニケーションを取っていくんだっていう、そういう気概を持って臨んだほうがいいよね、と思います。
さてそうは言ったものの、英語学習を続けていき、コミュニケーションを取る段になってハタと思うのは、「そもそも日本語でもしっかりコミュニケイトでき得るだけの事を考え、それを相手に伝わるようにしっかり表現できているか?」ということです。
つまりこれ、英語学習者あるあるだと思うのですが、私、日本語すら怪しくね?ということに段々気付いてくるわけですね 笑
日本語でもちゃんとモノを考えてますか?と、そして日本語の文法に基づいてきちんと伝えてる?「て・に・を・は」使えてる?うーん、怪しい…。
ということで前置きが長くなりましたが、英語で何か伝えたいならば、遠回りに思えるかもしれないけど、いま一度自分の国語を見直してみてはどうだろうか。そこで私は次の書籍を手に取ったわけです。
ほう、大人のための国語ゼミ、ですか。
国語力を鍛えることは英語力向上につながる
さてこの本の目次から、章立てを記載してみますね。
- 相手のことを考える
- 事実なのか考えなのか
- 言いたいことを整理する
- きちんとつなげる
- 文章の幹を捉える
- そう主張する根拠は何か
- 的確な質問をする
- 反論する
前半は、どちらかというと伝える側の国語力について。後半は、どちらかといえば受け手側が持っておきたい国語力について書いてあります。
どちらにせよ、伝え手・受け手と明確に分かれるものではなく、双方がより良いコミュニケーションを発展させていくために必要となる基礎的な力を上げていこうぜ、という内容になっています。
著者の野矢茂樹さんは『論理トレーニング』といった本も出されていますから、論理的に国語を捉えることの必要性を訴えているわけですね。
この目次を見ただけでも、「ああ、これ自分に当て嵌まってるな‥」という箇所はきっとあるはずですね。痛い、痛い…。
少しだけ中に踏み込んでみます。
1.相手のことを考える
相手に対して分かりやすい話し方や書き方はできているでしょうか?出来ている?ではなぜ、
「あの人は本当に話がわからんやつだ。理解力がない」などと思ってしまうのでしょうか。そもそもアナタ、本当に理解してもらおうと思っていますか?というのを問うのが第1章です。
相手が小学生だとして、外国人留学生だとして、理解できるように伝えようとしているか?そして、理解してもらおうと物事を噛み砕いていくと、ハタと、自分こそがそれを理解していないことに気付いたりするわけです。
2.事実なのか考えなのか
例えば新聞やネット記事などを読んで、どこまでが事実で、どこからが筆者の推測や考えなのか、明確に区別していますか?
結構な数の大人が、こういうことを出来ていないように思います。ある文章に対して、事実と良し悪し、好き嫌いを区別せずに一緒くたに捉えてしまう。
とはいえ、コミュニケーションの場では意見や考えは必要でしょう。ではその意見や考えは互いに共有されているの?もし共有されていないのなら、その話に乗っかって大丈夫?
「~じゃないですかぁ、だからぁ…」に乗っかるのはヤバいっしょ 笑
3.言いたいことを整理する
思いつくまま何となく書いている。読んでるほうも何となく読んでいる。読めるからいいじゃん。
いやいや、やはりスッキリとした文章ってありますよ。書く順序に気を付けるとか、余計なことは書かないとか。
たぶん、ほとんどの人に当てはまる、そんな章です 笑
4.きちんとつなげる
とにかく接続詞。そしてこの接続表現の分類が多様で、思いのほか適切に使えていない!私の使う接続詞も相当怪しい…。
この章は問題が豊富で、あらためて見直すことで、英語表現にも好影響が出るでしょうね。
5.文章の幹を整える
あらゆる文章には主題がある。文の幹を読み取るために出来ること、それは要約。
会話でも要点をすばやく掴むことが出来るか、それは要約力にかかっている。
6.そう主張する根拠は何か
「なぜそう思うんだ」「俺がそう思うからそう思うんだ!」
終了…。
根拠を示せ。でも根拠がすべてじゃない。しかし根拠と内容の関連性を少なくともしっかり見ようぜ。循環論法(トートロジー)とか、因果関係のはっきりしないものは世の中にあふれてるぜ。
本書全体を通して、最も奥深い章です。
7.的確な質問をする
質問力は人生を左右する。
これは苦手な人、多いはず。でも質問の形など、ちょっとしたTipsを紹介してくれていて、日常的に役立てられそう。
ただし、質問力はライフハックではない。日々の鍛錬をお忘れなく。
8.反論する
ただ単に主張をぶつけ合うこと、それはただの水掛け論である。
その対立を乗り越えて私たちに出来ることは…?
相手に誠意をもって伝えることは英語でも日本語でも同じ
本の紹介になってるんだか、なってないんだか分かりませんが、興味を持ってもらえたら幸いです。
でもきっと、本自体はさ~っと読めると思います。知識としては皆持っているはずですし、理解も出来るはず。けれども、言葉にしたり文章にしたりする段になると、途端に面倒になったり端折ってしまったりするのですね。
それはきちんと相手に伝わっているか?とか、都合よく主張を並べ立ててないか?とか、取っ散らかった話になってないか?とか、トートロジーになってないか?とか、そういうことをよくよく吟味せず話したり、書いたりしているものです。
話し言葉の場合は、そこまで厳密さを求めていたら会話になりませんが、とはいえ相手に対してこちらの真意を伝えるために言葉を尽くす、そういう態度は大事だよねと、この本は訴えかけてきます。
まさに誠意を尽くす=言葉を尽くす。
相手が同じ日本人であっても、同じ言葉を話していても、伝わるとは限らない。いや、自分以外の個体は完全に別の生命体であるから、伝わると思うほうがどうかしている。だから過剰だと思うほどに伝えようとすること、表現することがより重要になると。
これは英語も日本語も関係ない話で、その人の能力に依存することです。ですがこれは鍛えることが可能な部分ですから、日々考えを深めて表現する訓練をすることは、英会話にももちろん、応用ができるでしょう。
さて冒頭の、中身のある会話・ない会話ですが、結局のところ、このような論理的な理解力と、愛情をもって言葉を尽くす態度と、あとは少しのユーモアがあれば、そうした議論も踏まえて乗り越えられそうですね。
私にそれだけの力があるかというと…、頑張ります 笑
結論。
英会話を楽しむために、自分の言葉と思考そのものを見つめ直すことがとても良い冒険になる。その過程で見つけたことが英会話のネタになって、「中身のある会話」になるかもね 笑
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