英語のスピーキング力を向上させることは、私の英語力全体を底上げするために必要不可欠なことと思って取り組んでいます。
そのために昨年は、NHKラジオの英語講座「英会話タイムトライアル」を一年間続けてきました。現在も取り貯めたラジオ音声でスピーキング練習を行っています。
これは旅行英会話などには即効性が高く、私は身を持ってその効果を体験しています。
ただしこの講座だけでは、自分の言いたい事を長い文章で的確に伝えられるだけのスピーキング力は身に付けられません。
そのためには地味ですが、
1.時間がかかっても表現できるだけの英作文をしてみる
2.反射的に言えるフレーズをどんどん増やす
これらを少しずつ取り組みながら、自分のものにしていく必要があります。
上記の1.の方法は現在、地道に取り組んでいるのですが、もうひとつのアプローチも行っています。
今回は2.のアプローチ、「反射的に言えるフレーズをどんどん増やす」ための勉強法について書きます。
実はスピーキング力向上に有効なNHKラジオ英語講座
「英会話タイムトライアル」は英会話でよく使う、汎用性のあるフレーズを学ぶことに重点が置かれています。様々な場面で応用可能なフレーズ、まさに汎用性の高いフレーズが厳選されているわけです。
このスタイル、つまりフレーズを丸ごと覚えて、それを場面に応じて少しずつ変形させて使うというスタイル、これをより発展させられないものかと考えました。
これは、知っている文法知識を使って和文英訳するというスタイルではなく、よく使うフレーズを丸ごと身に付けてしまうというスタイルなので、そのためには英会話タイムトライアルでは紹介されていないようなフレーズを、さらにたくさんストックしていく必要があります。
それからもうひとつ、スピーキングをするということは、脳に能動的な刺激を与えます。聞く読むという受動的なスタイルでは得られない刺激を脳に与えることによって、英語で喋るんだという感覚を身に付けたい。
「英会話タイムトライアル」では、クイズ形式のようなスタイルで、自然とフレーズを口にするという仕掛けがしっかりなされており、聞く読むとは違う脳の部位をしっかりと刺激してくれています。
こんな講座は本当に稀有であり、同じレベルのものはなかなかありませんが、なるべく近いテイストの教材はないものかと探しました。
まとめると、次の2点が私にとって重要だということです。
- 応用可能で汎用性の高いフレーズが、もう一段階上で学べるもの
- スピーキング脳をしっかり刺激できるもの
この条件で探してみたところ、案外近いところにそれは存在していました。
それは、同じNHKラジオ英語講座の「遠山顕の英会話楽習」です。
(オイ!というツッコミが聞こえてきそう…)
そう、NHKのラジオ英会話といえば、長年この遠山顕さんでしたね!私が高校生の頃、顕さんのラジオ講座が始まったと思います。なんという長いキャリア。
で実は昨年、この「遠山顕の英会話楽習」のテキストを何冊か買ったのですが、何となく合わなくてほったらかしていたのです。
ところがいまテキストを見てみると、著者の伝えたい事が良く伝わってくる、という感覚を持ちました。
おそらく肌に合う合わないというよりも、昨年の自分に対して講座のレベルが高かったのだろうと思います。
実際、この「英会話楽習」はNHKによるとCEFR表記で「B1-B2レベル」とされています。
「英会話タイムトライアル」がA2-B1レベルなので、やはりレベルは1段高いわけです。
そして、英会話タイムトライアルを1年間継続したおかげで、ようやくひとつ上の講座に望める態勢が整ったわけですね。
すごいですね、NHKラジオ講座って。よくできてるなあ…。
さてCEFR表記でいえば、順序的にB1レベルにある「ラジオ英会話」を先に受講したほうが良さそうなものですが、それはやめておきました。
その大きな理由は、この顕さんのテキストの初めに記載されていることが全てです。
引用すると、
外国語での会話は、頭の中で作文しながらになりがちです。ただ、言いたいことを効率よく表現するためには、英語に特有なやり取りのパターン、決まり文句やイディオムなどを学ぶことが欠かせません。英語の場合、そうした表現の多くは「基本単語を組み合わせたもの」であることが特徴です。
とあります。
つまり、英語学習に対する基本的な思想が、英会話タイムトライアルと同じなのです。そのため、タイムトライアルの次に英会話楽習を受講すると、繋がりがとてもスムーズになります。
ちなみに『ラジオ英会話』は2018年度より、遠山顕さんから大西泰斗氏にバトンタッチされました。大西さんといえば『一億人の英文法』ですね。私も本は持っていますし、講座は人気のようですが、まあ…ね 笑(察し)
『遠山顕の英会話楽習』の特徴
決まり文句、イディオムが豊富
テキストの序文にあるように、イディオムが豊富です。顕さんといえばイディオム、イディオムといえば顕さんというくらい印象が強いです。
英会話タイムトライアルではイディオムはほぼ皆無でしたが、重要ですね。これが学べるのはひとつ上のクラスならではでしょう。
またそれとともに、ネイティブが会話で自然に使うであろう決まり文句、表現がたくさん出てきます。
これは文法事項を中心に学ぶ、基礎英語やラジオ英会話ではあまり取り扱われません。
したがって、この講座の会話文(ダイアログ)を一回さっと聴いただけでは、おそらく意味がしっくり入ってこないことが多いと思います。
言ってみれば、海外ドラマを観ているような感覚です。ドラマの中の会話を聴いていても、意味が取りにくい表現がよく出てきます。
結果として、聞いていて会話全体がぼんやりすることがあります。その原因のひとつは、こうしたネイティブの自然な表現を知らないことにあると思います。
講座では、そうした海外ドラマのダイアログを短く少しマイルドにしたような感じです。
これはリスニングはもちろん、実際の会話に近い感覚で、会話に慣れる・会話力を養う意味も大きいと思います。
NHKラジオ講座ならではの講座間の共通性がある
同じNHKの語学講座ということで、講座間で共通の表現を同じ月に使ったりする事があります。
あっ、これはタイムトライアルで使ってた表現だ、などということがありますから、相乗効果で覚えやすくなります。
分量が多すぎず少なすぎず
テキストの価格って、このNHKラジオ英語講座はどれも同じです。内容量が多いほうが得した気分になれますが、消化できなければ意味がありません。
そういう意味では、これ以下だと少なすぎるかな~というギリギリの絶妙なライン 笑
講座は実質、週2回ですから、学ぶ側も負担になりにくいですね。
またスピーキングの感覚を養うためとはいえ、日々の学習のメインに据えるわけではないので、このくらいが丁度いいです。
スピーキングの勉強としてどのように使うか?
スピーキングの練習とはいえ、いまのところ私はどちらかというとインプット学習に近い形で利用しています。
ラジオ音声のみ利用する方法
なかなかリアルタイムでラジオ放送など聴けませんから、以前もご紹介したように、一週間遅れのストリーミング放送で音声を聴く方法を使っています。
オフィシャルには、NHKゴガクというサイトおよびアプリから。
アンオフィシャルには、ラジリンガルというソフトを使ってダウンロード。
さて先程も触れましたが、講座のダイアログはネイティブの自然な表現が多めに使われています。そのため正直、今の私のレベルでは、テキスト無しではリスニングに苦労します。
会話のスピードが速いということではなく、意味が取りにくいという感じですね。
放送の内容は、英会話タイムトライアルのように、リスナーに問いかけて喋らせるというものではありません。正確には声に出すことはさせますが、リスナーからすると受動的に感じるスタイルです。
そういう意味で、リスニングには効果的ですが、スピーキング練習という点では、やや効果が限定されるように思います。
ただそれを含めても、このレベルの講座をテキスト無しで集中して聴いてみるのはオススメかなと思います。
テキストのみ利用する方法
この際、テキスト中心に勉強するのもありかと思います。
その場合は、ダイアログの中で、自分が使いそうな表現は何かな~と探したり、重要表現とされているものを言葉を少し変えて応用練習してみたり、色々工夫する必要はあると思います。
もちろん、音声と併用すればより良いですが、テキストだけでもかなり勉強になります。
英会話タイムトライアルはテキストを一切使わず、音声だけで学習しました。それが出来る講座でした。
英会話楽習は、自然なネイティブ表現が多いぶん、テキストがあったほうがいいかもしれません。
さていろいろ書いてきましたが、英会話楽習のラジオ放送は、良くも悪くも昔ながらのラジオ講座という感じなので、自分なりに工夫しないと、分かった気になるけど喋れないという教材になりがちです。
これについての試行錯誤は現在進行形であり、効果のあった方法はどんどん追記していきたいと思いますし、別記事にするかもしれません。
(2020.4.8 追記:さらに効果的な勉強法を別記事にしました。以下も参考にしてください)
ただNHKラジオの語学講座というと、とかくお爺ちゃんのなぐさみものと捉えられる事が多いと思いますが、この記事で紹介した、
英会話タイムトライアル
↓↓↓
英会話楽習
という学習ルートは、結構実践的で役に立つと思っているので、よければお試しいただけたらと思います。
コメント